アメリカ・シアトルに住み、10年以上にわたって
ポップミュージックの観察を続けてきたキム・ヨンデ氏の著書
「BTS THE REVIEW」を読んだ。
2014年夏、ロサンゼルスで開かれたKCON(韓流文化のフェスティバル)で
ぼぼ無名の新人グループとして参加したBTSを観た際に、
アメリカのK-POPファンの異常なほどに熱い反応を目の当たりにし、
ヨンデ氏は新時代の幕開けの「啓示」のように感じたそうだ。
早速、私は「KCON 2014 BTS」を検索。
YouTubeで、当時の動画を観ることができた。
もの凄い歓声の中に7人が現れると、最初に歌ったのは
「Boy in Luv 」。このタイトルだけ見れば、
ファンでないひとは英語の歌かと思われるだろうが、
99%くらい(Say what you want以外)は韓国語。
それも、恋する少年が、
「君のオッパ(兄)になりたいんだ」だの
「父さんは一体どうやって母さんに告白したのか」だの
「手紙でもかくべきなのか?」だの
とてもピュアな内容でかわいい。
曲の中盤ではJ-hopeが「カナダラマバサアハクナマタタ!」と叫ぶのだけど、
これは日本語で言えば「あかさたなはまやらわ!」
といっているようなもので思い切り楽しい。
さらに印象的なフレーズは「とっちぎちょんねえー」。
語感からは「栃木県」さえ想起してしまい、
懐かしさすら感じる。
ヨンデ氏によれば、 BTSは多くの国でファンの年齢層が厚く、
中年女性のファンもたくさんいて、なぜか異口同音に
「ノスタルジアを感じる」というそうだ。
欧米で、アジアで、インドで
各国のおばさま方が「愛おしく」思ってしまうこの現象。
BTSはもはや神になりつつあるのではと思ってしまう。