ヴェネチア映画祭で銀獅子賞に輝いた黒沢清監督の
「スパイの妻」を観た。
戦争の足音が近づく神戸、裕福な貿易商福原(高橋一生)と
その妻聡子(蒼井優)のミステリアスなストーリー。
高橋一生が着こなす背広や蒼井優のワンピース、
ステンドグラスのある邸宅や昭和の街並、
戦争へと向かう時代の不安感が漂う中での
この時代ならではの美しい映像がスクリーンにひろがる。
寄生獣感漂う東出昌大の演技もいい。
真実は最後まで不明、想像するしかないのだが、
「スパイの妻」と決め込んだ聡子の行動力に圧倒される。
映画が始める前、場外から「鬼滅の刃」待ちキッズの声が
かまびすしかったが、ひととき、
夢のようなタイムトリップができた。