12月後半は介護にまつわる本を読んだ。
一冊めは佐江衆一「黄落」。
「恍惚の人」のお嫁さんと同じく、主人公の妻、蕗子さんが
義理の親たちを献身的にお世話する様子には頭のさがる思いがした。
それにひきかえ、主人公である夫ときたら!!
妻を不憫に思って、夫が離婚を言いだすのだが、
「その前に」「おばあちゃまのオムツを、あなたが取替えなさいよ」と
言われて、離婚もできない現実に直面する。
オムツ交換の描写が生々しく壮絶、介護地獄に落ちる気分にさせられる。
2冊め、3冊めは介護界のカリスマ、三好春樹先生のこの2冊
こちらの2冊は、介護が楽しみなりそうな2冊。
16年半もお風呂に入っていないおばあさんのアカを嬉々として落とす寮母さん。
ナイチンゲールの病院を否定的にみていた「病院覚え書」。
PTの専門学校での解剖実習。
認知症は病気ではなく、「老化に伴う人間的変化」という捉え方などなど、
介護の参考になる話がいっぱいでした。
また、リハビリでは全く動こうとしなかったおばあさんが
「風船バレー」で立ち上がったという、遊びリテーションの話。
これはフィットネス業界でいうところの
ファンクショナルトレーニングではないかと思いました。