のらくら日記

のらりくらり、つれづれなるままに日々のあれこれを。

光州事件への鎮魂

2024年11月26日

ノーベル賞受賞をきっかけに

ハン・ガンさんの作品を読んでみた。

光州事件といえば、映画「タクシー運転手」などで

知っていた気になっていたが

映画では遠くから覗いていただけなのかもと感じる。

事件の被害者が積み重なれた遺体置き場から

小説ははじまる。

光州事件の被害者といえば民主化を進める学生など

体制に反逆した大人たちだけなのではと思っていたが

ごく普通に暮らす少年や女性たちも

たまたまそこを通りかかったというだけで

軍人に殴打され、突き刺され

むごたらしい遺体に‥‥‥

ハン・ガンさん自身は当時10歳。

現場にいたわけではないが、

徹底的に取材し、悪夢でうなされるほど

事件に関するあらゆる書類を読みこんで

この小説を完成させたという。

この事件に限らず、ガザでウクライナで、

ルワンダでスーダンで、ヴェトナムで、南京で

そして日本でも‥‥‥

何が人をそんなに残忍にさせるのか。

人の残忍性を発動させない、社会のしくみづくりは

できないものか。

生身のニンゲンのことを考えず、

なにかと戦争をしたがる、

世界の政治家たちに

ぜひ読んでほしい一冊です。

 

 

 

 

 

 

 

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