のらくら日記
のらりくらり、つれづれなるままに日々のあれこれを。
のらりくらり、つれづれなるままに日々のあれこれを。
2023年2月20日
府中市美術館「諏訪敦 眼窩裏の火事」を観にいく。
諏訪氏の祖父母は太平洋戦争終結直前に
満州に渡ったものの、ソ連侵攻に終われ、難民収容所生活に。
栄養失調と発疹チフスによって亡くなったという。
諏訪氏は膨大な資料を集め、旧満州地区にも二度に渡って取材。
幼き父が観たであろう光景を探り、絵画化してます。
会ったことのない祖父母の姿、国に棄てられ、病に犯された哀しみが
圧倒的な力で迫ってくる作品群が展示されていました。
見えていなかったものを、想像力で露わにする衝撃を感じました。
そして、美術館前庭には「地下のデイジー」。
若林奮氏のこの作品は60センチ四方の
鉄板123枚が地層のように重なって構成されており、
高さは3メートルほどにもなるというのだが
地上に出ているのはわずか3枚。
「見えないけれどもあるんだよ」の世界。
諏訪氏が「露わにしている」とは反対に
若林氏は「隠している」のでした。
露わにして見つめる想像力と、
秘める想像力、
2つの想像力に揺さぶられました。